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肉は発泡ドリンクやチップス、ピザと同様に不健康―と新しい〈食事ピラミッド〉キャンペーンは警告する

「私たちはこれらの製品がいらないということを明確にしておきたい」

BYナージャ・ザタット

ルギー政府公認の健康生活協会(Vlaams Instituut Gezond Leven)が発表した食事ピラミッドガイドでは、肉をソフトドリンクやチップス、ピザと同じ分類にすることで、国民に対して肉食を控えることを明確にしている。

この協会が作成したグラフは、伝統的な食事ピラミッドを逆さにしたもので、食事に関するガイドラインを提案するためだ。

ピラミッドの頂上には水とともに沢山の野菜や豆類、穀物類が君臨している。その下には赤肉に続いて乳製品、卵、魚、鶏肉、そして下部にバターがある。

ピラミッドの外側には、「この分類に属する(フラマン語)」と書かれた円の中に、加工肉やピザ、ビスケット、赤ワインにスウィーツが描かれている。

「これらの製品が必要ではないことを明らかにしておきたい」と、当協会のロエ・ヌバン氏はFlanders Today紙に語った。

「私たちはそれらを規則のように禁じてはいないが、除外すべきだと考えている。」

昨年、物議を醸した動きの中で世界保健機関が発表したレポートには、加工肉ががんを誘発し、赤肉もまた“恐らく”発がん性があることを警告していた。

国際がん研究機関(IARC)のカート・ストライフ博士が言うには、「個人だと加工肉の摂取による大腸がんの進行リスクは低いが、肉の摂取量によってこのリスクは高まる。」

「加工肉を摂取する人が大多数なことから、がん発生の世界的な影響は社会が懸念している健康問題だ。」

アリゾナ州のマヨクリニックに所属する医師たちが執筆した『Is Meat Killing Us?(肉が私たちを殺している?)』と題したレポートには、野菜を多く取り入れた食事はより健康的な体をつくるという議論を裏付けている。

事実、議論ではヴィーガン食が心肺疾患のいくつかの症例では症状を『逆転』させることができたり、糖尿病リスクの減少や血圧を下げたりというところまで話が及んでいる。

NHS(イギリスの国民保健サービス)は現在、1日に90gの赤肉と加工肉を食べているイギリス国民に対し、摂取を70gまでにするよう忠告しながらも、「赤肉は良いたんぱく質源で、鉄分や亜鉛などのミネラルとビタミンを供給する」とも強調している。

HOW A VEGAN DIET CAN AFFECT YOUR BODY IN THE FIRST YEAR

ヴィーガン1年目で体に起きる変化

ますます多くの人々がヴィーガニズム(完全菜食主義)を取り入れているが、動物製品を摂らないと、体はどうなるのか?
 
ヴィーガニズムー 肉や乳製品を避ける野菜中心の食事 ー が注目を浴びている。
2008年以降、イギリスだけでも自称ヴィーガンの人々は350%増加した。動機は様々だが、動物福祉や環境への懸念、そして宗教の理由などがある。
 
しかし多くの人々がより健康志向の食事を選ぶようになっている。研究によると、よく計画されたヴィーガニズムは、健康面での利点があるようだ。これまで肉や乳製品を多く摂取してきた人がヴィーガン食に変更すると、体には大きな変化が現れるかもしれない。
 
最初の数週間
ヴィーガンになるとまず、雑食にありがちな加工された肉製品を、果物や野菜、ナッツに置き換えることで、エネルギーの高まりを感じるかもしれない。これらの食品からビタミンやミネラル、食物繊維をより多く摂取でき、また出来合いの食品に頼るよりも、事前に食事プランを立てることでも、継続してエネルギーレベルを維持できる。
 
動物製品をやめて数週間経つと、より定期的で健康的なお通じ、または膨満感や緩さなどの腸機能の変化を感じるかもしれない。これはヴィーガン食には食物繊維が多いこと、そして多く摂取した炭水化物が腸内で発酵して、過敏性腸症候群になる可能性があるからだ。
 
この症状は徐々に落ち着き、結腸にさまざまなバクテリアを生み出すという良い変化をもたらすだろう。もちろん、加工された食品や精製された炭水化物を摂取するか、それともよく計画された食事を摂取するかにもよる。
まだ証明されていないが、多くの異なる種が共存するエコシステムが強力であるように、腸内のバクテリアの種類が増えることは、体内のすべてのシステムに有益だろうと科学者は言う。

3D model of the human intestinal tissue with bacteria.

 
3-6ヶ月後
 
ヴィーガン食に変え、果物や野菜の摂取が増え、加工食品を避けるようになって数ヶ月が経つと、ニキビの治癒に効果を感じるかもしれない。しかしこの頃になると、摂取源が肉や魚、乳製品であったビタミンDの蓄えが減ってきて、手遅れになるまで気づかないこともある。あまり知られていないが、ビタミンDは骨や歯、筋肉の健康のために必要で、不足するとガンや心臓病、偏頭痛、うつ病の原因になる。
 
ビタミンDは体内に2ヶ月しか蓄えておくことができない。ビタミンDは太陽光からも作られるので、一年のうちいつヴィーガン食を始めるかということも、蓄えておける期間を左右する。特に冬は、ビタミンDが追加された食品やサプリメントを摂ることが重要だ。
 
 
バランスの取れた塩分と加工食品の少ないヴィーガン食を数ヶ月続けると、心臓血管の健康、心臓病や心臓発作、糖尿病の予防に効果があることを実感するかもしれない。鉄分や亜鉛、カルシウムの摂取量が減ることで体が順応して、それらの栄養素の腸への吸収率が高まる。順応することで、栄養素の不足を防ぐことができる人もいるし、そうでない人はサプリメントで補える。
 
6ヶ月から数年間
一年が近づく頃になると、ビタミンB12の蓄えがなくなるかもしれない。ビタミンB12は、血液や神経細胞が健康的に機能するために必要な栄養素で、動物製品のみからしか摂取できない。欠乏症の症状は息切れ、疲労感、記憶力の低下、手足のしびれなどだ。
B12欠乏症を防ぐのは簡単だ。栄養価を高めた食品を三度の食事で取り入れるか、サプリメントを摂るだけで良い。ただし、これを維持しなければ、心臓病や心臓発作へのヴィーガン食の効果を打ち消すばかりでなく、神経や脳へのダメージの原因となりうる。
更に数年すると、骨への変化も感じるようになる。私たちの骨はミネラルを蓄えており、30歳までは食事から取り入れることができるが、それ以降は吸収できなくなるため、若いうちに十分に摂取することが重要だ。
30歳を超えると、骨に蓄えられたカルシウムを体のために使うようになり、食事から補給しなければ、骨は次第に脆くなる。
ケールやブロッコリーなど、カルシウムに富んだ野菜を摂取することで、骨を守ることができるかもしれないが、多くのヴィーガンの人々はその摂取量を満たすことができておらず、ベジタリアンや雑食の人々よりも骨折する確率が30%高くなっている。また、植物性カルシウムは吸収されにくいため、サプリメントや栄養強化された食品の摂取が推奨されている。
 
長くヴィーガンでいる場合は、バランスが重要だ。バランスのとれたヴィーガン食は健康面での利点があるが、よく食事管理しなければ、欠乏症によってその効果を失ってしまう。しかし現在のスーパーマーケットや食品店では、種類に富んだヴィーガン食品を取り揃えるようになり、肉への食欲は全体的に減りつつある。正しい準備をすれば、ヴィーガン食は人間の健康に良いものである。
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研究によると植物性脂肪は動物性脂肪よりも健康的

何年にもわたって非難された後、脂肪は復活を遂げています。しかし、そこに非常に多くの脂肪の種類と情報があるため、何が健康で何がそうでないかを追跡するのは難しいと思うかもしれません。

ただし、新しい研究では、簡単な経験則が示されています。少なくとも一不飽和脂肪に関しては、植物脂肪源は動物源よりも優れているようです。

水曜日にニューオーリンズで開催されたアメリカ心臓協会の会議で発表されたこの研究では、植物油、アボカド、ナッツ、種子に含まれるような植物ベースの一価不飽和脂肪が、心臓病やその他の原因で死亡するリスクが低いことがわかりました。研究によると、肉、乳製品、卵に含まれるような動物性の一価不飽和脂肪は、より高いリスクと関連しています。

「植物ベースの食品が主な供給源である場合、心血管系および総死亡率の予防に一価不飽和脂肪の有益な役割を観察しました」と、GengZong博士とQiSun博士と共同で論文を執筆したハーバード大学公衆衛生学部の栄養学部の研究員であるマルタグアッシュフェレは述べています。

研究者たちは因果関係を証明することはできませんでしたが、10万人近くの食事データのパターンを探しました。彼らは約22年間人々を追跡し、人々は4年ごとに食品アンケートに回答しました。この数十年の追跡期間中に、20,600人以上が死亡し、約4,500人が心臓病で亡くなりました。

植物性脂肪をたくさん食べた人は、摂取量が少ない人に比べて死亡するリスクが16%低く、動物性脂肪をたくさん食べた人は、これらの食品をあまり食べなかった人に比べてリスクが21%高かった。トランス脂肪、飽和脂肪、精製炭水化物からの比較的少数のカロリーを植物脂肪からの同数に置き換えることも、人の死亡リスクを10〜15%削減するように思われた、と研究者らは発見した。

Guasch-Ferre氏によると、植物性脂肪源と動物性脂肪源の違いは、これらの食品に含まれる他の栄養素が原因である可能性があります。一価不飽和脂肪の植物源は、通常、ビタミン、ポリフェノール、多価不飽和脂肪(心臓に健康であることが知られている長鎖脂肪)も豊富です。一方、動物性脂肪の供給源には、心臓病の原因となる可能性のある飽和脂肪とコレステロールが多く含まれている傾向があります。

「最近、食事の推奨事項は、動物ベースの食品よりも植物ベースの食品の量が多い食事にシフトしています」とGuasch-Ferreは書いています。「私たちの結果はこれらの推奨事項に準拠しています。」