Eating lots of meat tied to higher risk of liver disease

肉の食べすぎと肝臓病高リスクの関係

(ロイターヘルス) 動物性タンパク質を多く摂取する人は、肝臓に過剰な脂肪分があることが多く、主に植物性タンパク質を摂取する人に比べて肝臓病を発症する可能性が高くなると、オランダの研究が提唱。同研究で焦点となったのは、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼ばれる病で、通常は肥満・偏った食生活に関連している。患者には食生活の改善を促す一方、先行研究では食生活と予防の明確な関係性は証明されていなかった。 

今回、研究チームは平均年齢70歳の成人3882人の食生活に関するアンケート結果と肝臓のスキャンデータを分析した。全体の37%(1337人)が非アルコール性脂肪性肝疾患持ちであり、そのうち132人が標準体重、1205人が太り気味と判断された。 

分析結果によると、動物性タンパク質を最も多く食べている太り気味の参加者は、肉を控えめに食べる参加者よりも、肝臓に中性脂肪がある可能性が54%高いことが分かった。 

同研究に従事したのは、オランダ、ロッテルダムに位置するErasmus MC大学医療センターで、肝臓専門医を務めるSarwa Darwish Murad博士。彼は「この結果は、社会人口学的要因、生活習慣、メタボ関連要因など、通常考えられるNAFLDの因果関係を除いた後の結果です。」と語る。 

更に「恐らく最も重要な点は、カロリー摂取量に関わらず動物性タンパク質と脂肪肝の関連が証明できた事です。同時に、多様な食生活が大事であるとも証明できました」とメールで語る。 

脂肪肝のない参加者の一日平均摂取カロリーは2052カロリー、脂肪肝持ちの参加者は平均で1996カロリーを摂取していたと、国際的な胃腸科医・肝臓専門雑誌であるGutにて研究者は報告している。 

全体のカロリー数でタンパク質が占める割合は、脂肪肝持ち参加者は16%、脂肪肝のない参加者は15.4%であり、植物性タンパク質である野菜の摂取量は両者ともさほど変わりはなかったため、肉摂取量の違いが割合の差を生み出している。 

肝臓に少々脂肪があるのは普通だが、脂肪分が肝臓の5%以上の重さになると脂肪肝と診断される。過剰なアルコール摂取は肝臓に負担をかけ、中性脂肪がたまる原因となり、アルコール性脂肪性肝臓を引き起こす。一方、お酒をあまり飲まない人でも、非アルコール性脂肪性肝疾患を発症するリスクがある。 

この研究の元々の目的は、食生活が脂肪肝の発生リスクに及ぼす影響があるかどうか、また、ある場合はどのようなものかを証明することではなく、対照実験としては行われていなかった。さらに、分析に使われたデータは、主に参加者のアンケート回答とカロリー摂取量で、この種のデータは信憑性に欠けることが多い。同時に、食生活以外の脂肪肝の原因となりうる医薬品や、ウイルス感染関連のデータは集められていなかった。 

実験に直接携わっていない、イスラエル、ハイファ大学のShira Zelber-Sagi博士によると、以上を踏まえた上でも分析結果が示唆する重要性は変わらず、遺伝要因があったとしても、健康的な食生活を送る事で脂肪肝疾患発症リスクを最低限に抑える事ができる。 

更にZelber-Sagi博士は、肉、得に赤身肉は飽和脂肪を含んでいるため、脂肪肝を誘発します、とメールで語る。 

「特に加工肉は、炎症とインスリン抵抗性(ホルモンであるインスリンへの感受性が低下している状態)を引き起こし、血糖値の上昇や糖尿病発症の原因となるため、健康に良くありません。炎症とインスリン抵抗性どちらとも、肝臓に脂肪が溜まる原因となります。」 

「今回の結果は、赤身や加工肉の摂取をできるだけ控えるべきであり、魚や低脂肪高タンパク質食品、全粒穀物、野菜、オリーブオイルなどが豊富な地中海食を進めるべきという、既存概念に対しての更なる根拠となりました。どうしても赤身を摂取するのであれば、多くとも週に1~2食に限るべきで、加工肉は完全に避けるか、本当に稀に食べるのが良いです。」とZelber-Sagi博士はアドバイスしている。

 

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