Eating meat has ‘dire’ consequences for the planet, says report

肉を食べることは地球に“悲惨な”結果を引き起こす

気候変動の縮小と増え続ける世界人口の食糧供給のためには、食の仕組みを根本的に変える必要があると研究者たちは言う。

 

BY サラ・ギベンス

食事に関連する産業は全て揃っている。ほとんどの食品は体重減少や筋肉増量、長生きするのを助けるために製造されている。


しかし、世界人口は着実に増え続け、研究者たちは2050年までに10億人分の食糧計画を大慌てで立案し始めている。


イギリスの医療ジャーナル「ザ・ランセット」の最新レポートでは、直ちに計画を立てるべきだと主張する。植物性を主とした、少量の肉や乳製品、砂糖をたまに摂取することを許容範囲とする食事を推奨しているのだ。このレポートは、栄養学や食の政策に携わっている全世界の研究者30人で構成されたチームにより編纂された。彼らは3年もの間、政府に採用される意図を持って、増え続ける世界人口の食糧問題に対処する打開策を慎重に熟考してきた。


「赤肉または乳製品の消費率の増加が例えわずかだとしても、目標達成はほぼ困難か不可能になるだろう」とレポートの概要では述べている。


レポートの作者たちは、食生産からの異なる副作用に重きを置いて結論づけている。彼らは温室効果ガスや水と大量農産物の利用、リンや窒素などの化学肥料、地域を農地に変換することによる生物多様性が受ける打撃の可能性を含めた。そして、これらすべての要因を管理することで、気候変動の誘発ガスは減少し、増加し続ける世界人口の食糧を供給できるだけの土地を確保できると述べている。


レポートの結論でいうと、全世界の砂糖と肉の消費率は50%まで減らすべきなのだ。「肉食派ではない人がどこの誰かは日々変化する」とジョン・ホプキンズ大学の食政策と倫理学の教授でありレポートの作者、ジェシカ・ファンゾ氏は言う。例えばアメリカでの肉消費について、それを減らして代わりに果物と野菜に置き換えるべきだ。しかし、すでに食糧難に面している他の国は、肉食生活をおおよそ3%までにとどめることができる。


「私たちは差し迫った苦境に立たされるだろう」

もし、何も行動を起こさなければ、とファンゾ氏は言う。



ヴィーガン流行にならう

肉消費の縮小に関する推奨案は目新しいものではない。昨年(2018年)の10月、ジャーナル誌「ネイチャー」が肉と砂糖の消費縮小に関する似たようなガイドラインを発表したばかりだ。


この新しいレポートは何が違うかというと、目標を達成させる変化のために述べられている手順だとファンゾ氏は言う。


「素晴らしい食の変革」と名付けられたこのレポートでは、最低限の活動(情報共有)から、消費者の食の選択肢を限定するといった積極的な活動まで、広範囲にわたる戦略を述べている。


「人々の生活基盤には政治的構成や動機が確立してしまっているため、そう容易くはないだろう」とファンゾ氏。農業の慣習を何かしらにシフトすることにより得られる助成金は、食の仕組みを抜本的に改革する1つの作戦だとレポートでは述べている。これにより、食に関連した価格が変わることによって消費者の気持ちを高めていくだろう。


この計画がたとえ世界中にその種を芽生えさせることが実際にできたとしても、それはまた別のテーマだとフランゾ氏は言う。


「現在の政権下では、何かが動くとは到底思えない」と彼女は言及する。


アメリカ国立乳製品協会の最高科学責任者であるグレッグ・ミラー氏は、牛乳に含まれるビタミンDやカルシウムの健康効果を引き合いに出しながら、アメリカの食の現状を変えることに警鐘を鳴らしている。


「乳製品で生計を立てている人は100万人いる」

そしてその人たちは乳業もしくは酪農家で働いているとミラー氏は言う。


「正しい方策と正しい動機によってこの問題は解決できるはず」

それは持続可能な酪農業にしていくことだ、とミラー氏。「技術向上のためには助成金が今求められている。小規模農家はそれを実現できるような収益はない。」


持続可能な酪農とは例えば、より多くの牛乳を生産できる乳牛を創り出した繁殖技術の向上や、動物性食品の消費活動を測定できる追跡システムの改善などだ。


長引く排出論争

植物性食が『食の安全万能薬』であると、全ての専門家が納得しているわけではない。カリフォルニア大学の動物学者であるフランク・ミトロエナー氏は、気候変動と食肉との関連性は極めて少ないという見解を述べている。



「畜産が地球に影響を与えていることに対して、このレポートはあたかも畜産こそがその最大誘因であるように思わせているのが気にかかる。現状、石油の使用がCO2排出の最大誘因だ。」とミトロエナー氏。


環境保護庁によれば、輸送や電気、産業での石油燃焼が温室効果ガス排出の大半を構成しているそうだ。その中で農業は9%、そして畜産業はおおよそ4%ほど。


ミトロエナー氏はまた、畜産による温室効果ガスの排出量について評議会の算出方式に異議を唱えており、メタンガスに重点を置きすぎているという。CO2と比べ、メタンガスの空気中に留まる時間は少ない。研究者たちはCO2が正確にどれくらい空気中に留まるかを議論しているが、メタンガスのほうが海の水温上昇に深く関与していることが研究結果では示されている。


食品ロスの削減

このレポートにある食のガイドラインは批判を受けてはいるが、食品ロスに関しては広く受け入れられている。アメリカ単独でいうと、食全体の約30%が廃棄されている。


レポートには消費者と生産者両方に対して食品ロス削減に関する方策を提示している。貯蔵技術の向上と食汚染の改善は、廃棄されるであろう量の食品は減らせるが、知識を得た消費者も1つの効果的な「戦略」になると持ち上げている。


これは多くの人がたじろぐ将来像だ – 食習慣を変えて、食品ロスを減らす。

しかし、「101 Ways to Go Zero Waste」の著者、キャサリン・ケロッグ氏は月250ドルでそれを実現できるという。


「無駄をなくすための食の使い方はたくさんあって、ほとんどの人がただ単にそのことを知らないだけ」だと彼女は言う。野菜の各部分を使った調理法を知っていることや、冷蔵庫の中に何が入っているかを常に把握していることが効果的な習慣になる、などを引き合いに出している。


しかし、ケロッグ氏はカリフォルニア州にあるファーマーズマーケットにほど近い地域に住んでいる。その他の地域では「食品砂漠」といわれる、そういったマーケットなどがない場所に住んでいる人々にとっては、新鮮な野菜や果物を調達するのは難しいだろう。


「私たちが推奨する対策は、今では実現可能だ」とファンゾ氏は言う。「これらは“絵空事”のような未来の技術ではなく、ただ単に大規模で実施されていないだけだ。」


レポートの委員たちは、30カ国以上で立ち上げイベントをこれから開催する予定だ。彼らの打ち出した新しいガイドラインの推進者候補として、国連などの国際団体に向けて訴えかける計画でいる。

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