1987年から乳がんと闘う一流の科学者によると、がんは圧倒的に動物性食品が関連してる
1987年にジェーン・プラント教授を悩ませた乳がんは、1993年に5回目の再発を起こした。二次性腫瘍で、卵半分くらいの大きさのしこりとなって彼女の首に現れ、医者には余命数ヶ月と告げられた。
当時二人の小さい子供の母親だったプラント教授は、夫のピーターとのショックを隠せない話し合いを思い出した。二人は科学者(彼女は地球科学者、彼は地質学者)で、中国で環境問題について研究をしていたので、中国の女性の乳がん発生率が非常に低いことを認識していた。1970年代のある疫学研究によると、西洋諸国で12人に1人が患うのに対し、中国では10万人に1人との結果が出ていた。
「この情報について、上級学者と確認すると、私が知っている中国の医者たちは、乳がんの症例は何年も見ていないと言いました。もし中国の女性が西洋の食生活をしたり、一世代アメリカやオーストラリアに住んだら、乳がんになる確率は同じです。なぜ中国に住む中国人女性は乳がんにならないのか?と私はピーターに聞きました。」
彼が現地調査に行った際、中国人の同僚が、自分たちは飲まないからと、粉乳を彼にくれたことを思い出した。「当時は酪農業がなかった。非常に驚いた。」
失うものはないと感じたプラント教授は、化学療法を継続しつつ、実質一晩で乳製品をやめ、アジアスタイルの食事に変えた。
既に肉や魚、卵などの動物製品を断っていた彼女は、数年間欠かさず食べてきた生有機ヨーグルトを含む全ての乳製品をやめた。
6ヶ月で彼女の首のしこりは消え、1年でガンが鎮静し、その後18年間再発していない。
食事のおかげだと確信した彼女は、伝統的な中国の田舎の食事に似た、乳製品に頼らない、大豆などの植物性たんぱく質中心のプログラムを考案した。
当初は乳がんを患う女性を助けるために考案したが、のちに前立腺がんを患う男性も助けるようになった。2000年に発行された彼女の体験談を記した本「Your Life in Your Hands(あなたの人生はあなたの手の中に)」は、多くのがん患者からの回復に役立ったという声で話題になり、感動を巻き起こした。
しかし2011年、プラント教授の乳がんが再発し、鎖骨の下に大きなしこりと、肺にいくつかの小さなしこりが見つかった。学術書を執筆するストレスから、食生活と日常の習慣共に緩めてしまい、禁止している子牛のレバーのバター炒めや、粉乳の入ったファラフェルを食べていた。
「すぐにがん専門医を訪れ、レトロゾーレ(エストロゲンを抑圧する薬)を処方してもらった。同時に厳しい食事制限とウォーキング、瞑想をした。」数ヶ月後、彼女のがんはまた鎮静した。
全てが信じられない話に聞こえるかもしれない。しかし69歳のプラント博士はおかしなことは言っていない。
インペリアルカレッジロンドンの地球科学科教授で、環境発がん性物質を専門とする彼女は、その分野で高く評価され、地球科学への貢献に対して、1997年にCBE(大英帝国勲章)を受賞し、彼女のがんへの取り組みは著名な科学者たちにも支持されている。
インペリアルカレッジ、がん生物学の教授であるMustafa Djamgoz氏と共同執筆した最新版の本には、医科大学学長のGraeme Catto教授からの序文がある。彼はその科学的研究で裏付けられた発見に対し、「啓蒙的だ。時に衝撃を受けるくらいに。」と表現している。
しかしプラント教授は、これまでに受けてきた乳房切除術、化学療法、放射線療法、および閉経期を誘発するための卵巣の照射などの従来のがん治療を否定はしていない。
素晴らしい最新のがん治療が不可欠だと信じる一方で、乳製品を摂取しない食事や、その他の食事習慣、ストレスの軽減が重要だとしている。
新刊「Beat Cancer (がんに勝つ)」に記載したアドバイスのほとんどは、がんのリスクを減らすために、植物ベースの食事を増やし、赤身の肉、塩分、糖分、脂肪を減らし、定期的な運動をする、ストレスを軽減する、という現在のガイドラインとほぼ一致する。
彼女はまた、オーガニックになること、回復を助ける確かな証拠がある場合は補完療法(がん治療のための医療に取って代わるもの)を使うこと、そして農薬のような潜在的な汚染物質を避けることを勧めている。
しかし彼女が最も伝えたいことは、牛乳、チーズ、バター、ヨーグルトなどの乳製品を一切断つことで、がん細胞が大きくなるために必要な条件を取り除き、直ちにその病気を止めることができるということだ。
「私たちは、牛乳は体に良いという考えを植え付けられて育った。しかし牛乳に含まれる成長因子やホルモンが、乳がんだけでなく、その他のホルモンが関係する前立腺がん、精巣がん、子宮がんの原因にもなるという証拠が出ている。」と彼女は言う。
プラント教授によると、乳製品を断つことは、結腸直腸癌、リンパ腫、のど(肺以外)のがんをも防ぐかもしれない。「牛乳は子牛には良いものであっても、人間には良くない。」
比較的新しい後生的遺伝学の科学によって、がんを引き起こす遺伝子は、それらを作動させる特定の条件が生じない限り活性化しないかもしれないことを、科学者たちは理解している。「つまり、食習慣は遺伝子レベルで影響を与えるということだ。」とプラント教授は言う。
がん患者やがんのリスクが高い人には、乳製品を断つことをプラント教授は勧めている
科学者らは、がん細胞は、成長因子と呼ばれる化学伝達たんぱく質、および(ホルモン依存性がんの場合は)エストロゲンなどのホルモンに対して過敏であると考えている。
私たちの体が作り出す成長因子は、細胞を成長させるなどの重要な働きをする。
本来、結合たんぱく質と呼ばれる他の物質は、がん細胞に対する潜在的影響を含め、成長因子をコントロールする。
がんのリスクは、血液中に異常に高レベルの「結合していない」成長因子(またはホルモン)が循環している場合に発生する。
私たちが作り出す成長因子やホルモンと同じものが動物性食品の中にも入っており、これががん細胞の必要とする「肥料」となると、プラント教授とDjamgoz氏は言う。
牛乳に含まれる主なたんぱく質であるカゼインは、最も危険だと考えられている。
米国の著名な栄養学者であるコーネル大学のコリン・キャンベル教授は、エストロゲンと同じように、主要な発がん物質と考えるべきだと主張している。
プラント教授によると、牛乳(オーガニックであろうとなかろうと)には、35種類のホルモンと11種類の成長因子が含まれているという。IGF-1と呼ばれるそのような成長因子の高循環レベルは、多くのがんの発症と強く関連している。研究によると、肉を食べる人やベジタリアンと比べ、ヴィーガンの人々の「結合していない」IGFレベルは低いという。
「ヴィーガンの食事には、がんを促進する分子が少なく、それらの分子の活動を縮小する結合たんぱく質が多い。」と彼女は主張する。
がんの蔓延に関与する第二の成長因子は、がん患者に高レベルで見出されるVEGFで、より新しい抗がん剤の標的である。
プラント教授は、乳房炎を患っている牛の乳房には、感染症と闘うためにVEGFが存在すると指摘している。 乳房炎は英国の全牛のほぼ半分が患っていると考えられている。 「牛乳、特に現代の工業化された乳製品部門に典型的な、より多くの牛乳を生産するように改変された牛の乳には、高レベルのVEGFが含まれているという論文が増えている。」
「もしも乳がん患者が乳製品を摂取しているとすると、同時にVEGFも摂取している可能性がある。特に乳房炎を発症している牛の乳の場合は、更にその危険性が高い。病気を克服するのを妨げるだけでなく、悪化させているかもしれない。」
彼女が特に懸念しているのは、ファッションのように人気の高たんぱく質の食事だ。一般的に、たんぱく質の摂り過ぎ、特に動物性たんぱく質は、がんのリスクがある人々にとっては、助けにならない、または最悪危険を及ぼすと指摘する。
食事についての第2理論は、私達の体の酸のレベルに関連する。私たちがあまりにも多くの酸生成食品を消費すると、私たちの体が酸性 – がん細胞が繁栄することができる環境 – になるそうだ。酸を最も多く生成する食品(柑橘系の果物と思われるだろう)には、卵や肉、魚、そして乳製品が含まれ、チーズは全食品の中で最も多く酸を生成する。
がんを患っている人や可能性が高い人は、何よりもまず、オーガニックであろうとなかろうと、牛、羊、ヤギすべての乳製品を断つようにプラント教授は主張する。「現在進行中のがんを患っているならば、中途半端な方法はありません。」
彼女はまた、肉や魚、卵などの動物性たんぱく質の摂取量を制限し、伝統的な中国の田舎で主なたんぱく源であった、大豆などの植物性のたんぱく質に置き換えることを勧めている。
しかし乳製品を断つことでがんを克服できるという証拠がそれほどまでに説得力のあるものならば、なぜ私たちはそのことを教えられていないのか?
プラント教授は、既得権益 – 酪農業は英国のGDPの約12%を占めている – と医学的保守主義のためだと言う。腫瘍学者は、「従来の治療法では優れているかもしれないが、栄養生化学の専門家ではない。」
大きながんチャリティは、製薬の開発に力を入れすぎている。その結果、「がん予防の情報を、政府やチャリティ、医療関係者やメディアにだけ頼っていると、重要かつ命を救うことのできる情報を見逃してしまう可能性がある。」
Cancer Research UK(英国のがん研究機関) は、がんと乳製品の関連性を調査している研究では、確かな結果は得られていないとしている。
「がんのリスクを減らすために乳製品を避けることへの、確かな証拠はない。」と、Cancer Research UKのマーティン・レッドウィック氏は言う。「乳製品を避けると、がんの再発を防ぐことができるとはわかっていない。患者は食事を変える前に、医者や管理栄養士に相談すべきだ」
プラント教授は、がん患者、そして予防したいと考えている人に、根本的に食べるものを変えるように忠告することは「大きな疑問」であると認めている。 それでも彼女のその日の食事は、朝食がWeetabix(シリアル)に豆乳、糖蜜、亜麻仁を加えたもの、昼食には全粒粉パンにフムスとサラダ、そして夜にはカネリーニ豆のミネストローネスープ、自家製トマトソースのパスタと、異質なものではない。
「人々は、乳製品を断った場合、何からカルシウムを摂取するかを常に心配している。しかし、多くの植物源からカルシウムを得ることができる。」成長因子とホルモンはすべての乳製品に表示されるべきである、と彼女は主張し、最終的に乳製品の大量生産はやめる必要があるとしている。
70歳の誕生日を控え、プラント教授はこれまでのところ27年と6つのがんを生き延び、そして彼女自身は、彼女が主張する食生活が非常に説得力のあるものだという広告のようである。 しかし彼女の話には、驚くべき事実がある:2週間前に鎖骨を骨折したために行われたスキャンで、それぞれの肺に1つずつ、小さな二次性腫瘍が見つかった。 彼女は現在タモキシフェンを服用しており、治療、食事療法およびリラックスすることの組み合わせで、この再発を治す自信があるという。
「科学者として私にできるのは、証拠に基づいて事実を伝えること」と彼女は言う。「最初の本を書き始めたのは、今は39歳になった娘のエマに、同じような体験をして欲しくなかったから。すべての本は、他の人々にもこのようなことが起きて欲しくないから書きました。」
https://www.telegraph.co.uk/foodanddrink/healthyeating/10868428/Give-up-dairy-products-to-beat-cancer.html