- ヴィーナス・ウィリアムズ、ルイス・ハミルトン、デヴィッド・ヘイは既にヴィーガン食支持者
- アメリカの医者は、流行の食生活の最新の証拠を報告
- ビタミンとミネラルを多く摂取することで、炎症を抑えられるとの専門家の見解
- その食生活は、体脂肪を減らしてエネルギーを作りだすことで、より良いパフォーマンスを発揮
科学的に見ると、ヴィーガニズム(完全菜食主義)は心臓の健康、持久力、回復力を増進させるという点で、アスリートにとって最適な食生活である。
アスリートのみならず多くの一般人も、健康面での効果が報告されていることから、その食生活を取り入れている。
ヴィーナス・ウィリアムズ、ルイス・ハミルトン、デヴィッド・ヘイ、デリック・モーガンは、過密な運動スケジュールの中で、厳しい食事管理が必要であるにも関わらず、ヴィーガン食を支持している。
現在では、肉の代わりに豆やマメ科の植物を主にたんぱく源とすることは、アスリートのパフォーマンスを上げることが証明されている。
ジョージ・ワシントン大学医学部のニール・ベルナルド博士を中心とした専門家によると、ヴィーガン食は体脂肪を減らし、体重をコントロールしつつ、「全ての必須栄養素」を満たすことができる。
科学的に見ると、ヴィーガニズム(完全菜食主義)は心臓の健康、持久力、回復力を増進させるという点で、アスリートにとって最適な食生活である。テニスのヴィーナス・ウィリアムズ選手は、既にヴィーガン食を取り入れている。
Formula 1のルイス・ハミルトンなどのアスリートのみならず多くの一般人も、健康面での効果が報告されていることから、その食生活を取り入れている。
ベルナルドメディカルセンターのメディカルディレクターで共著者のジェームズ・ルーミス博士は言う。
「アスリートがヴィーガン食に走るのは不思議ではない。Couch-to-5K(ソファでの生活から5キロ走れるようになることを目指すプログラム)や鉄人トライアスロンのトレーニングのためであっても、野菜中心の食事は、パフォーマンスや回復力を改善するためのパワフルな方法である。
ジャーナル誌Nutrientsで公開された数々の既存研究の再調査結果では、持久力アスリートにとって非常に重要な心臓血管の健康において、ヴィーガン食が重要な役割を果たすことが分かった。
十分にトレーニングをしているアスリートでも、心臓疾患のリスクはある – 中年以降のエンジュランス・サイクリストやランナーの約44%が、動脈にプラークを持っている。
低脂肪なベジタリアン食は、プラークを治療する上で最も効果的な食事パターンであることが臨床的に証明されている、と著者は言う。
肉食と比べると、菜食は冠動脈心疾患を患う確率が32%低い。
また、ヴィーガン食は脂質異常症や高血圧、体重増加や糖尿病などの心臓病の大きな原因となる病気も防ぐ。
報告によると、野菜中心の食事は、「より引き締まった体、グリコーゲン貯蔵の容易化、組織酸素化の改善、酸化的ストレスの軽減、炎症の軽減」など、運動パフォーマンスを助長する。
野菜中心の食生活は、基本的に炭水化物が多くなるため、アスリートにとっては大きなエネルギー源となる。
有酸素運動中は炭水化物が主要エネルギー源となり、より多く摂取することで持久力を高めることができる。
ジョージ・ワシントン大学医学部による科学的報告によると、肉を除いた食生活は、アスリートに重要な引き締まった体を作り上げる。ボクサーのデイヴィッド・ヘイはヴィーガンだ。
NFLのテネシータイタンズ所属のデリック・モーガンなどのアスリートも、B12のサプリメントを摂ることで、必要な栄養を摂取していると専門家は言う。
研究者によると、野菜中心の食生活は、アスリートのパフォーマンスや回復力を強化するようだ。
ビタミンCやビタミンE、ベータカロチン、そのほかの抗酸化物質を多く摂取することで、血流良くしたり組織酸素化を高め、酸化ストレスや炎症を減らすことができる。
肉を食べないことで、ヴィーガンはB12欠乏症の危険性がある。
しかしサプリメントを摂取することで、持久力アスリートに必要なたんぱく質やカルシウム、鉄分などを含む全ての栄養素を摂取することが可能だ。
「雑食から菜食に変えると、多くの場合、栄養面全般を改善することができる」と研究者は言う。
「果物、野菜、豆類、そして全粒粉の食品はよりビタミンやミネラル、食物繊維に富み、飽和脂肪が少なく、コレステロールはゼロだ。たんぱく質が十分であるかという質問がよくあがるが、調査によると、事実上全ての持久力アスリートは推奨量を満たしており、また種類に富んだ菜食で十分な量の必須アミノ酸も摂取することができる。」
ヴィーガン協会によると、これまでにない数の人々がヴィーガン食に興味を示しており、2017年と比べると、肉の入っていない食品への需要は987%増えている。
流行の食生活は、シェフのジェイミー・オリバーや歌手のビヨンセなど、ソーシャルメディアのスターやセレブたちも支持している。
しかしながら、スーパーマーケットでは、毎年より多くのヴィーガンの選択肢を販売しているものの、肉、魚、乳製品、卵の摂取を避けることは、思っている以上に難しいかもしれない。
完全菜食または多くの野菜を摂ることに忠実な人は、心臓病を発症する可能性が低いという研究結果がでている一方で、お店ではヴィーガンの加工食品を見つけることがある。
2017年にアメリカ心臓病学会誌が発表した研究結果では、糖分や加工されたヴィーガン食品を多く摂取した人は、肉を食べる人よりも心臓病と診断される割合が32%高いことがわかった。
ヴィーガン食とは何か?またなぜ人気を博しているのか?
ヴィーガン食とは、植物(野菜、穀物、ナッツ、フルーツなど)または植物から作られた食品のみからなる。ヴィーガンの人々は、乳製品や卵を含め、動物性のものから作られた食品は一切摂取しない。
ヴィーガンの人々がこの食生活を選ぶ主な理由は、動物福祉、健康、そして環境のためだ。
2018年に発表されたウェイトローズ(イギリスのスーパーマーケットチェーン)の報告によると、イギリス人の8人に1人がベジタリアンまたはヴィーガンで、更に21%が時々肉を食べるフレキシタリアンだ。
マイリー・サイラス、シーア、アリアナ・グランデ、リアム・ヘムズワース、ロビー・ウィリアムスやその他多くのアスリートが、この食生活を支持している。
Veganuary(Vegan+ January. 毎年1月に、1ヶ月間ヴィーガンになることを勧める運動)の運動家たちは、2019年1月は国会も菜食にするよう政治家たちに呼びかけ、既に多くの国会議員たちが支持を表明している。
スーパーマーケットやファストフードチェーンも、この変化に追いついている – セインズベリーズ(イギリスのスーパーマーケットチェーン)は、新たに29品目のヴィーガン製品を追加し、合計で100種を超えた。テスコとアイスランドはフィッシュレスフィンガーやミートフリーソーセージ、バーガー、そしてすぐに食べられるヴィーガンラザニアなどを販売している。
ベーカリーチェーンのグレッグスが新しいヴィーガンソーセージロールを取り入れたことは、2019年1月にトップニュースとなったが、その点においてはピザエクスプレスやTGI Fridays、ワガママが先を越している。
国民健康サービス(英)は、種類豊富でバランスの良いヴィーガン食を食べることで、必要な栄養素は全て補えると言っている。
健康を保つためには、下記が必要だ:
- 毎日少なくとも5種類以上の果物や野菜を食べる
- 主要食品はイモ類やパン、米、パスタ、その他でんぷん質の炭水化物(可能な限り全粒粉)
- ソヤのドリンクやヨーグルトなど、乳製品代替品を摂取(低脂肪、低糖を選択する)
- 豆類やその他のたんぱく質を摂取
- 不飽和油やスプレッドを少量摂取
- 水分をたくさん摂取(政府による推奨量はコップ6-8杯)
ヴィーガンの人々は、十分なカルシウムやビタミンD、鉄分、オメガ3、ビタミンB12を摂取するよう気をつける。
B12は、動物由来の食品のみに含まれるため、ヴィーガンの人々が摂取する方法は限られており、B12サプリメントや栄養を追加された製品の摂取が必要となる。